なかなか時間がとれず、日課だったジョギングをサボっている…なんて人もいるのではないでしょうか。仕事が忙しいから走らない?いやいや、仕事のレベルを向上するためにジョギングをするのです。

理学療法士・重森健太さんの著書『走れば脳は強くなる』は、最新の脳科学研究をもとにランニングの持つ脳の効果を検証しています。

走らない生活がいかにマイナスだったのか。今日からリスタートしましょう。

よくカラダを動かす人は
高収入!?

ランニングで鍛えられる脳の部位は、「海馬」と「前頭葉」です。「海馬」は記憶力、「前頭葉」は脳の司令塔として、集中力や計画力、発想力、判断力、思考力、そして感情までをも司っています。2つに共通するのは、仕事で高いパフォーマンスを発揮するための必須能力を管理しているというところ。

トロント大学の教授、リチャード・フロリダ氏の調査によると、18歳から34歳の高額所得者(年収750万円以上)の人たちが体を動かす頻度は、低所得者(年収300万円以下)と比べて2倍、と報告されています。

体を動かすことで脳機能がアップし、仕事の効率も良くなるのです。経営者などにランナーが多いのも、あながち偶然ではないのかもしれません。

筋肉量の多い「足」から
脳を刺激する

なぜ、走ると脳が鍛えられるのでしょうか?

その答えのひとつとして、筋肉が大きく関係します。筋肉を動かすと、その中の感覚器から信号が発せられ、脳が活性化されます。とくに足は筋肉量が多く感覚器が集中しているので、絶大な効果が得られると言われています。

また、筋肉は心臓から送られてきた血液を送り返すポンプの役割を担っています。新鮮な酸素を含んだ血液が脳内に満たされることで、脳細胞が増えるという現象が起こります。

イリノイ大学のクラマー博士の研究では、有酸素運動をすることで「神経栄養因子」という物質が増え、脳内で新たな神経細胞を生みだす働きをしてくれる、とも報告されています。

ランナーズ・ハイ」は
なぜ、起こるのか

ランナーズ・ハイは、走るつらさがピークを超えると気分爽快になり、どこまでも走れそうな気分になるという現象ですが、なぜそんなことが起こるのか?と不思議に思ったこともあるはずです。

仕組みについて、まだ完全には解明されていませんが、脳内物質の「βエンドルフィン」が原因ではないかと言われています。「βエンドルフィン」は、肉体が強いストレスを受けたときに、その痛みや苦痛を和らげる効果があり、モルヒネの成分とよく似ています。

ランニングはもちろん、水泳やダンスなどでも「βエンドルフィン」が分泌されることが確認されているので、幸福感を得るための薬として、ランニングをしてみてはいかがでしょうか?

ただし、「βエンドルフィン」はホルモンの分泌を抑制する働きもあるので、男性の場合は精子減少、女性は乳房が小さくなったり生理が止まる、といった可能性もあるので、注意がい必要です。

ランニングで
「幸せホルモン」を分泌

ストレスは、多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、放置すると脳機能の低下を招きかねません。徐々に集中力が散漫になり、ひどい時には睡眠障害など体の変調としてあらわれてしまいます。

自律神経を調整する視床下部は、ホルモンの分泌をコントロールする内分泌系の中枢を担っています。ストレスによって動きが鈍くなると、心身のバランスに大きく影響を与えてしまう部位ですが、ランニングなどの有酸素運動をすることで強化できます。

もしアナタが常にイライラを感じていたり、ネガティブな気持ちが晴れないのなら、まずは走ることをオススメします。ランニングすることで、俗に言う幸せホルモンの「セロトニン」が分泌され、安心感が高まります。また、うつ病予防の薬に使われている「γ-アミノ酸」の分泌も促されるので、脳内のストレス連鎖を断ち切ることができるのです。